三度目にして

 

ビッグ・ノーウェア 上 (文春文庫)

ビッグ・ノーウェア 上 (文春文庫)

ビッグ・ノーウェア 下 (文春文庫)

ビッグ・ノーウェア 下 (文春文庫)

 三回目の通読。これまで自分の中でイマイチだったんだが、今回は、大変胸に迫るものがあった。なんと美しき、B. ミークスの純情。


 どうでもよいが、法月さんのことは作家としては尊敬しているのだが、解説者としてはイマイチだと思う。なんというか、推理小説研究らしきことをやろうとしているんだろうが、結局、「このスジはAという作品と似ている」という指摘か、「東某も述べているようにフロイトは……」といった行き着く先が不明な学説とのリンクに終始している。類似の単なる指摘、権威ある学説の上重ね、それにしてもこれらが、どうしようもなく、学問ではないよな、という気にさせるのはなぜなのだろう。
 他にも、XX学を立ち上げるという話はよく聞くけれども、単なる好事家の集まりで終わってしまうことも多い。さて、XX学の成否を決するのは何なのでしょうね。