工場その他

 なんと名づければよいのか迷っているのだが、ある種の個人を働かせたり収容したりすることを通して、結果として、その性質を変容させることになる施設、そういう施設の例として、工場とか刑務所とか病院とか、職場とか研究室もそう。

 そういうのを研究する場合、先ずそこに集う人々の初期設定を押さえないとダメ。大学生だとか、中高年とか、女性とか。そういう基本的なところから始めて、就職氷河期の世代で最初の就職を失敗しているとかのライフヒストリーまで踏み込めるといいのだが。

 それからそういう人々を集めて何かする施設の仕組みについて書く。メカニズムとか、何らかの工夫とか。

 最後に、そのような施設を経由した結果、人々はどう変わったかを押さえる。施設に順応し過ぎちゃうケースとか。サボるためのテクニックとか。結果として、再集団化が行われる可能性もある。例えば、順応しすぎちゃう人はサボってる人を毛嫌いするものだ。そして、再集団化という結果を組み込んで、施設の方ではどういう工夫を行うかまで書くこと。



 社会学的研究なんて大筋だけみれば凡庸なものではないか。細部のトリッキーさに魅了される人は多いし、そういうスパイスがなければつまらないのは事実だけれども、主と従とを間違えたり、盛り付けるべき皿のない創作料理を出したりしてはダメだよな。