ゴフマンとギデンズ

 両者の入門書を同時に読み進める。

アーヴィング・ゴッフマン (serica books)

アーヴィング・ゴッフマン (serica books)

ギデンズとの対話

ギデンズとの対話

 どちらも思想のコアが端的に出ていて、私のような初学者向きだと思った。ただ、ゴフマンのほうは短すぎるし、著者の整理も全体としては平板だ。一点だけコミュニケーションについての節を除いては。
 ゴフマン先生のインタビュー(ただし、忠実な記録ではなく覚書)の中では、アメリカの戦後アカデミズムの過酷さもうかがえた。優れた人類学者らが職を得ることが出来ず、ある者は金のある精神医療の分野に新入りし(ベイトソンの例)、ある者はチューターをし続け、ある者はソーシャルワーカーら社会人に喋って金銭を得ざるを得ず学会では殆ど無視されたという。
 ゴフマンは金持ちの実家と奥さんに恵まれ、幸運だったという話である。おしまい。