逆裁ハイ

サイコーです


 年に一度あるかないかのお祭りというのが、以前にはあった。尊敬する作家のミステリ翻訳(やはり私の魂の作家、コリン・デクスター! あと別の作家となるが、フロスト警部シリーズの新作の翻訳が遅い!)やサザンの新曲、最近までは椎名林檎の新曲というのも本当に待ち遠しかった。
 今ではそういった「発売日が待ちきれない」ような作品も少なくなったし、敬愛する作家もいなくなってしまっていたのだが、これだけは別である。
 祝「逆転裁判 蘇る逆転」発売。というわけで、第一話からずっと解いていたが、昨日の朝方にクリアした記念の久しぶりの書き込みと相成った。
 本作はリメイクなので第五話のみが新作である。三ヶ月に一度はクリアし、今日まで十回近くクリアしている四話までをジリジリと解きつつ徐々にテンションをあげていく。そして二年ぶりの完全新作となる第五話である。手が震えた。
 ストーリーは生臭い権力闘争。警察局と検事局との間での不協和が絡んでいる。うーむ、タクシュウ(←本作の作者、巧舟(本名)のこと)も偉くなってカプコンという組織を描きたくなったのかという邪推もしてしまったが。
 すでにおなじみのキャラクターは思うとおりに動いてくれているし、新作のキャラクターはどいつもこいつもありえないくらいキャラが立っている。弁当屋の姉ちゃんは数十種類の弁当を次々と繰り出して、ニンテンドーDSのマシンパワーを見せつける!
 そして犯人となる某キャラクターのかもし出す凄み! おちゃらけの中に潜む怖さというのは、パトレイバーでいえば、内海課長の立ち位置か? 怖くてなかなかつっこめなかったという我がヘタレっぷりは内緒である。
 肝心のトリックは言うことなし。堂々たるもんである。
 というわけで大満足の本作であるが、唯一難を言えば、音楽に心惹かれなかった。特にエンディングテーマのダウナーな曲調がいけない。感動できなかったよ……
 ともあれ、逆転裁判という作品とその作者であるタクシューをこよなく尊敬する者にとって、本当に満足できる作品であることは保証できる。まあ、本作のために半年前からニンテンドーDSを買っている者にとっては、「改宗者に説教」の類なのだけれども。
 また逆裁ハイを堪能させてくれ!(←大阪方面への叫び)