世界遺産

  というNHKの番組の「アフガニスタン」編を視た。
  仏教王国の遺産がタリバンによって破壊された云々、そこへ日本の調査隊が新しい遺跡を発見云々、の話は良く分かった。
  アフガニスタンの人々は遺跡の中に住んでいるという。遺跡の多くは山壁に穴を開けた部屋の中にあるのだが、その部屋に人々が今も住んでいるのだ。
  得意げに自らの発見の重要さを語る調査隊の話を聞いた後で、カメラは、その地方の知事に対して遺跡の意義を説明する調査隊の姿を映した。調査隊があちらこちらの壁を指差し知事が頷く。その結果、知事は住民に移住を命じたという。
  「汚いな」と思ったのは、調査隊が、住民を説得するのではなくて、知事を説得したという点である。知事さえ陥落すればあとは知事と住民の問題だ。その間には複雑な問題があるとしても、それは国内問題に過ぎないことになる。
  ただ、実際はもう少し複雑な話なのかもしれない。