当たり前だけど

 学説研究者をミステリ作家に譬えると、彼は3人の主要な登場人物を持っている。それらを適切に組み合わせることで見せ場を演出し、それぞれをキャラ立ちさせなくてはいけない。

  1. 研究対象となる学説の理論(=犯人)
  2. 研究者が属している学統における有力な理論(=ドジな警官)
  3. 研究者自身の理論(=主人公の探偵)

 大概、読ませるミステリというのはこの三者のバランスが適切に配置されているものだが、学説研究も多分一緒だろう。犯人は、ドジな警官によって過大評価されていたり過小評価されていたりするから、この辺を地味に正していれば、探偵のキャラが立ってくるんじゃないか。