ぬくもりは、ぬるいか冷たいか

 ジャパネットたかたの本当のすごさ:NBonline(日経ビジネス オンライン)
 ジャパネットの話題は別にどうでもよいのだが、冒頭の例をみて、なんだかゲッソリしてしまった。

こんな大画面液晶テレビを家族で楽しむのに最適なのが「クイズ番組」かもしれない。
 「正解は2番だな」
 「パパ違うよ、絶対3番」
 「わしは老人会の旅行でこの場所は行ったばかりだから分かるんだ。答えは1番だよ」
 大画面テレビが、こんな家族同士のぬくもりある会話を生み出してくれているらしいことは、テレビ調査会社の結果を分析したという作家も言っていた。

 うえー。確かにわしが実家に帰ると一族でこんなことをやってたよ。そうして、ぬるいやりとりをダラダラとやっていたけれど、それにうんざりしているのはわしだけじゃなかったと思うね。全員うんざりしていたと思う。
 正月には半ば義務として一族全員と顔を合わせなくてはいけない。そうなると、会話も大して深まることなく表面的なやりとりに終始する。そこへぬるいクイズ番組があると話題を考え出す必要はなくなる。答えを適当に言ってれば時間が過ぎてくれるだろう。
 ニュース番組だとこうはいかない。それをネタに会話がはじまってしまうからだ。「最近はこういう事件が多いね」「世の中悪くなる一方だね」「テレビゲームがいけねえな、あんなの規制しなきゃ駄目だ」「あんたはどう思うの」「……」。やっぱりクイズがいい。「1番」とか「2番」とか言ってりゃ先へ進むクイズがいい。
 ドラマや映画も危ういものだ。展開がつまらなくなったりすると、いきなり会話がはじまる恐れがある。「ところで、pqrsは将来の展望とかあるのか」「……」。やっぱりクイズがいい。「鎌倉幕府」とか「日本ハムファイターズ」とか言ってりゃ先へ進むクイズがいい。