大リーガーになるプロ野球選手

 英語を話せない者として、先生方らの若手への期待論を、申し訳ない気持ちで聞くことが多かった。ただ、その一方で、「う〜ん、そうかな?」という思いもあったのだが、それをうまくまとめるきっかけが今日までなかった。

 しかし、今朝方、米球宴についてのニュースをみて、違和感の若干が解消された気がしたのでエントリをあげる。要は、メジャーリーグ‐日本プロ野球関係との比較から、彼我の学界の関係を考えてみてはどうか、というものである。

 通常、若手への期待論というのは、内向きな志向を脱却して英語を身に付けて世界に通じる学者になってみよ、という精神論か、そういう学者が育たないのはなぜか? 何が邪魔してんの? という構造についての問いとに分けられる。いずれにせよ、障害を打破して若手は英語を話せるようになってほしい、という議論で、若手に照準されていることは違いない。

 ところで、メジャーリーグ‐日本プロ野球関係で見ると、メジャーで活躍している選手は、日本球界で相応の実績をあげ、国内での手ごたえのなさに外へ出て行って成功したというケースが殆どである。逆に、日本球界での実績もなくメジャーに行って活躍している選手はどれだけいるか。また、日本プロ野球も経由せずに海外に行く選手もいるだろうが、そうして表に名前の出ている選手とその母数との比率を知ることはできない。とはいえ、惨憺たるものではないか、という気もする。

 要は、何も持たない若手が高い金を積んで海外へ出て行ってチャレンジを行うというのは、無論無理ではないにせよ、敷居が高すぎやしないか、ということである。それよりは、国内で名を挙げた者が海外へ出て行って己を試してみるというモデルの方が、よほど現実的であるといえる。

 だから、私はあえて、大御所への期待論を唱えたい。内向きな志向を脱却して、海外の機関でチャレンジしてはどうだろうか。誰が最初の野茂英雄になるのだろうか。