目利きのゲーム

pqrs2010-01-01


 「しょうがつそうそう」、という書き出しにしようと変換したら、「正月葬送」と出て、いきなり落ち込んだ。

 とまれ、正月早々、宅配ピザを頬張りながら惰性でテレビを視ていたところ、豪邸の中から最も高価な品を見つけた者が勝ち、というゲームをやっていた。

 双方が高価そうな時計を選んでいたのだが、結局一番高いのは部屋の隅に掛かっていた絵であった。

 「絵っていうものの値段は、時計や宝石とは違って、見ただけでは分からないところに個性がある」と思ったのだが、よく考えれば時計も宝石も見た目で値段が分かるものではない。例えば、目利きをやっている丁度そのときに宝石市場が暴落することだってあろうし、どこにでもありそうな時計が、XXモデル限定品ということでレア値が付いていることもある。

 そう考えると、ものの価値を見極める眼というのは、見識といったものによって培われるのではないのではないか。地味に情報を収集し続けること、そのことが大事なのだろうが、「目利き」という言葉にはそうした努力の一面が見えなくされているように思える。