慣習と改善

 こうした自営業者の世界というのは、自らの経営について、何ら改善するべきところがないどころか、そうしたものを見つけるべきではなく町の生活に溶け込むべきであるという慣習主義に基づいているという点で、ブルデューの指摘する庶民階級の生活様式と一致している。
 対して、「このままではいけない」と変化を志したとき、店のすべては不断の改善の対象とされるべき不完全なものとなって見えるだろう。