送別

 数年勤めてきたバイトを辞めることになり送別会を開いていただいた。多くの方々の出席があり、わたしも久しぶりに大笑いできた。すばらしい機会を与えてくださった関係者の方々に深く感謝したい。

 ただ、楽しい酒のあと、わたしはさびしい気持ちになる。あとは寝るだけなのだが、寝なくてはならない理由を納得するより早く、酔いを感知した脳みそが意識を遮断するのをじっと待つのみである。

 そして早朝まだ暗いころに目覚める。すると酒宴での己のばかげた発言で、人間関係上何ポイントのマイナス点を計上することになったのかを、うつろな意識の中で高速に計算するのである。どんどん差っ引かれていきゼロを切ったところで脳内にチーンとレジスタの音が鳴り響く。

 わたしは気分転換が絶望的にヘタクソな男だ。こうなるともう一度寝るしか解決はない。一人暮らしもそろそろ限界なのだと思う。