新聞のあとで

 なんか、格好のいいタイトルだな。
 それはともかく、新聞、いつまで紙メディアだ、と思う一方で、それに変わるのが、HTMLやPDFというのも違う、という複雑な気持ちでいる。HTMLもPDFも問題は縦か横か一方向にしかスクロールしないことにある。その結果として複数記事の併載の仕方がリニアになるので走査性が著しく劣る。我々の眼の性能をなめている。
 原則的には、縦と横へ可能な限り広がるべきで、その境界画定は、現行のXX欄という分け方に従うのがよいと思う。この分け方にさして手を入れるべき必要を感じない。問題は、それをスクリーン上で実現するのが難しいことにある。スクリーンの視野角が局限されすぎている。
 しかし、スクリーンを別のものへと置き換えるのは大掛かりなので、別の手を考えるとすると、縦と横への動作を可能にするのが、マウスもしくはスクロールバーである、という点に問題を感じる。マウスにしてもバーにしても、走査という眼の瞬間的な動きに比較して必要となる動作が大きすぎる。後者が大きすぎるから前者を行う可能性自体が考慮されない。問題はこの両動作量の比率の改善にあるかもしれないのに。
 そう考えてみると、iTouchなんかのタッチ・スクリーンの操作性を導入できないかと思う。とはいえ、スクリーンをいちいち触るのは面倒くさそうなので、ペンタブレットでiTouchなんかと同じことができるAdobe Readerに代わるソフトがあったらいいのにと思う。ペンをコツンとやる、縮小する、右へ左へ動く、拡大する、こんな動作がペン先でスムーズに行えれば、眼と手の動作量の比率が改善され、我々の眼がかつて有した優れた性能である走査性がまた活かせると思うのだが。