耳にするとゲンナリするコトバ

 私自身よく言葉を誤用していろいろ恥ずかしい思いをしてきたのだが、そんな私が自らを棚に上げ、耳にしてゲンナリする言葉がある。それは、

 「処女作」

 である。

 え、なんで女性が処女かどうかに例える必要があるの? 割と一目置いていた人なんかが、普通に口にしたりすると、この人もか〜、とちょっとガッカリしてしまう。

 調べてみると、これ、maiden workという英語の直訳らしいんだけれども、幾つか英英辞書を調べてみたが存在しない(初航海、初飛行、外交官による初演説という用語は出てくる)。googleで検索しても、日本のサイトばかりひっかかるし。

 以下は推測なんだが、日本オリジナルの展開として、処女地とか処女彗星とか、用法を融通無碍に拡大してきたところがあったのではないか。元々は、古い英語が特別のイベントのために使っていた言葉に過ぎなかったのが、便利だからと用いられていったのではないか。

 その中でも「処女作」という言葉には、何かしら、特別な面白さがあったのかもしれない。私には分からないが。